自分探しの旅に出かけたはちぞう。それは本当のお母さんを探す旅でもありました。 | ||||
不思議な青い夜明け、天から一筋の光が一本の木の梢にあったハチドリの巣に降り注いだ。 朝がやってきて、お毋さんハチドリがヒナに一生懸命餌を運んでせわしなく飛び交っている。 そんな巣に一向に孵らない卵がひとつ。 突然、卵が動きだし、カラが割れはじめる。 ところがそこから現れたのはハチドリには似ても似つかないヒナだった。 驚くお母さんや兄弟達であったが、お母さんは自分の卵から孵ったヒナに替わりはないと、その子に「はちぞう」という名前をつけた。 少し成長したはちぞうは、大好きな花の蜜を吸うために自由に森や花畑を飛び交うようになる。 だが、はちぞうを見かけた森の仲間たちに「キミはだれ?ハチドリには見えないけど」と言われ、自分が何なのかわからなくなってしまう。 はちぞうにはお母さんさえ知らない隠されたヒミツがあった。 “ぼくってなあに?” “本当のお母さんはだれ? どこにいるの?” とうとうはちぞうは意を決して本当の自分を見つける旅にでるのだった。 |
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